ココロ踊る!山麓生活のススメ(第27回)発想の転換で、庭の厄介ものとも仲よく暮らす

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公開日:2024.05.30

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 自然の動植物たちとの距離が近い八ヶ岳山麓での生活も3年目、今年も草や木々が一斉に枝葉を伸ばして花を咲かせる季節がやってきた。初夏は緑が目にやさしく、植物たちのエネルギーにあふれる心地いい季節だけれど、私の家の庭の雑草たちもパワーアップがすさまじい。刈っても、刈っても、抜いても、抜いてもたくましく伸びてくる草たち。秋が来るまでは、そんな草との格闘のシーズンでもある。

 だけど、自然や近くの人にいろいろなことを教わりながら日々を暮らす中で、雑草に対する私の思い方もちょっとずつ変化をしてきているようで……。

気づけば一面のタンポポ畑に……。さあ、これをどうしよう

 

たくましく生きる雑草たち

 除草しても自然の繁殖力には追いつかず、いろいろな雑草が元気に生えている私の家の庭。中でも特に厄介なのは、雑草の代表格・タンポポとスギナだ。

 タンポポは驚くほどの繁殖力で、何も手入れをしないと庭一面に広がってしまう。花の時季は黄色の花がきれいだが、それが終わると無数の種がついた綿毛が「パラシュート部隊」となって周辺に飛び散っていく。私の家だけでなく、近所にも拡散することを考えると、放置はできない。

 タンポポは、大きい株では根が地中に深さ30㎝以上も伸びていて、根こそぎ引き抜くのがとっても大変。さらに参ってしまうのは、地上に出ている葉や花を取っても弱らず、付け根からたくましく再生することだ。

 スギナは早春に胞子茎であるツクシを出すことで知られるトクサの仲間の植物で、ツクシが出たあとに緑色のスギナが伸びてくる。引っ張れば、地上部は簡単に取れるけれど、地下茎が地中深くに埋まっていて、それが少しでも残っているとよみがえってしまう。両方とも根絶させるのが難しい植物だ。

芝生のようにはびこるスギナ。これも除草がかなり厄介

 

排除するのではなく、活用してみる…

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執筆=小林 千穂

山岳ライター・編集者。山好きの父の影響で、子どもの頃に山登りをはじめ、里山歩きから海外遠征まで幅広く登山を楽しむ。山小屋従業員、山岳写真家のアシスタントを経て、フリーのライター・編集者として活動。『山と溪谷』など登山専門誌に多数寄稿するほか、『女子の山登り入門』(学研パブリッシング)、『DVD登山ガイド穂高』(山と溪谷社)などの著書がある。現在は山梨で子育てに奮闘中。

【T】

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