最新セキュリティマネジメント(第38回)AI利用におけるセキュリティ対策

リスクマネジメント 働き方改革

公開日:2024.07.18

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 生成AIの登場以来、業務におけるAI利用への関心は急速に高まり、実際に利用されるシーンも増えている。しかし、AIを利用する際の誤用、悪用に対する懸念も常に取り沙汰されている。業務でAIを利用している企業はセキュリティについてどう捉え、どのようなプロセスで検討し、どのような体制で臨んでいるのか。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、2024年7月4日に発表した調査結果の概要を紹介する。

IPAがAI利用者に対してアンケート調査を実施

 IPAは7月4日に「AI利用時のセキュリティ脅威、リスク調査」という調査報告書を公開した。これは、事前調査で「AIを利用/許可している、予定がある」と回答した約1000人を対象にWebアンケートを行い、結果をまとめたものだ。AIの利用に関心が高まっている今、タイムリーな調査といえるだろう。

 事前調査は企業や組織に従事している5000人弱を対象に実施。AI利用をしている(予定を含む)人は22.5%であり、個別のAIサービスでは、チャット・質問回答など顧客向けサービス改善、翻訳など社内業務効率化などの業種共通サービスが多かった。

 AIサービスのうち導入率第1位の「AIによるチャット・質問回答サービス」を最も導入しているのは、通信業、次いでサービス業だ。企業などに問い合わせをする際、チャットへ誘導されたという経験を持つ人は多いだろう。特に通信業では2023年1月以前から利用されていたケースが多い。

 第2位の「AIによる翻訳サービス」は業種に関係なく導入が進み、こちらも2023年1月以前から導入されている。翻訳という専門性の高い業務を行う企業は以前からAIを利用しており、すでに定着しつつあると見られる。

 興味深いのは、AIを利用している人の多くが、セキュリティに不安を抱いている点だ。約6割がAIのセキュリティに関して脅威を感じ、7割を超える人がセキュリティ対策は重要であると回答している。不安を抱きながら利用している人たちは、どのような対策をとっているのだろうか。

組織的な対応が遅れがちなAI利用のセキュリティ対策…

続きを読むにはログインが必要です

\ かんたん入力で登録完了 /

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

執筆=高橋 秀典

【T】

「リスクマネジメント」人気記事ランキング

連載バックナンバー

最新セキュリティマネジメント

オンラインセミナー動画

  • 新着記事

配信期間

2024年10月24日(木)~2024年11月29日(金) 

セキュリティ関連

セキュリティコンサルタントが解説!いま企業がとるべきサイバー攻撃対策とは

配信期間

2024年9月2日(月)~2025年3月31日(月)

カーボンニュートラル関連

カーボンニュートラル実現への第一歩~温室効果ガスの可視化・削減の最新動向と具体事例~