ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.01.05
部下を単にほめるだけならば、「素晴らしい」や「よくやった」と言うだけで済みますが、「企業内で社員をほめて育てる」ことを目的とした場合、ただほめ言葉を並べればよいというわけではありません。
上司が部下をほめる際には、その先に「部下との信頼関係を深める」「部下の仕事へのモチベーションを高める」「部下を次のステップに導く」といったゴールを置く必要があります。「なぜこのほめ言葉が部下の成長につながるのか」という視点が大切です。
「ほめて育てる」の最も基本的なやり方としては……
・今回の成果についてまずほめる
・あなたが頑張ってくれているのを知っていたよと言って労をねぎらう
・改善点や具体的な改善方法があればそれを伝える
といった具合に、上司が直接次のステップアップを伝える方法が考えられますが、さらに効果的な方法として「質問してほめる」が挙げられます。
具体的には「今回、あなたのおかげで大きな成果が出ましたが、この成果を上げるために工夫したのはどんなところですか」や「あなたはいろいろなことを知っていますね。その知識をどこから仕入れましたか」など、「まずほめる→その根拠を質問する」という形で質問して答えを引き出していきます。
このように成果につながる隠れた努力を質問することでほめる気持ちがしっかり伝わりますし、質問を通して部下自身の気付きを引き出す、というメリットがあります。本人から質問に対する回答を引き出した時点で、「ほめて育てる」ことが始まったとも言えます。
ただし部下の成長を促すためには、成果の内容やそこに至る仕事のプロセスはもちろん、部下の能力や仕事への向き合い方などを上司が把握した上で、部下が答えられるような適切な質問を投げかける必要があります。また時には、部下の回答を受けて、さらに質問や意見交換などに発展させることも効果的でしょう。
また「こんなに大きな成果を出すなんて、あなたは普段からどれほど努力しているんだ」といった具合に、質問の答えを必要としない、ほめる言葉の一部として質問を使うやり方もあります。この場合には気付きを引き出すことはできませんが、ほめ方の1つとして心得ておくとよいでしょう。
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執筆=坂本 和弘
1975年栃木県生まれ。経営コンサルタント、経済ジャーナリスト。「社員の世代間ギャップ」「女性社員活用」「ゆとり教育世代教育」等、ジェネレーション&ジェンダー問題を中心に企業の人事・労務問題に取り組む。現場および経営レベル双方の視点での柔軟なコンサルティングを得意とする。
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