パンデミックや地震、台風などの災害に備えて社員のためにマニュアルを作ろうと思います。どんな点に気を付けて作成すればいいですか?
A.情勢に合ったリスクを想定し、マニュアルを作成しましょう
2020年に発生した世界規模のパンデミックは社会経済に大きな影響を及ぼし、日本国内においても早急にフレックスタイムやテレワークの導入が求められるなど、「働き方改革」への取り組みを後押しする形になりました。
また、日本は諸外国と比較して台風・水害・地震・火山噴火などさまざまな自然災害による被害が多く、2018年の豪雨による甚大な被害などから、2020年版「グローバル気候リスク指数(Global Climate Risk Index)※」においてワースト1位となっています。
※ドイツ環境NGO(非政府組織)「ジャーマン・ウォッチ(GermanWatch)発表
内閣府による「防災基本計画」では、自然災害や感染症の被害を抑止するための事前対策や、業務上の事故や事件を未然に防止するため、企業ごとにリスクマネジメントの策定・見直しが推進されています。
参考■内閣府 防災情報のページ 企業防災とは何ですか?
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/kbn/index.html
災害を分類して対策する…
災害はさまざまな形で社会に影響し、企業にとって不測の事態につながります。
損失を最小限に抑えて速やかな立て直しを図るには、緊急時のあらゆるリスクを想定し、状況に応じた事業継続計画(BCP)やマニュアルの策定が必要です。
災害は大きく分けて次の3つに分類されています。
参考■中小企業庁 中小企業白書・小規模企業白書 2020年版
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/PDF/2020_pdf_mokujityuuGaiyou.pdf
※2020年版 中小企業白書・小規模企業白書 ~新型コロナウイルス関連~ リスクへの備え(事業継続計画(BCP)の策定、テレワークの導入)
大規模な災害により損害を被った場合は、公的機関や民間団体による給付金・助成金・補助金などの制度をはじめ、金融機関において融資に関する専門の相談窓口が設けられるなど、支援策の対象となる可能性があります。
参考■中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/
参考■経済産業省
https://www.meti.go.jp/
なお、マニュアルに基づいたフローの徹底・遵守は重要ですが、情勢に見合わない内容では、社員の安全や企業の存続自体を脅かされることになります。そのため、定期的に内容を見直し、情勢に合わせて運用していくことが重要です。
職種・経営内容によって必要な対策やフローは異なりますが、実際に業務にあたる社員の意見を積極的に取り入れ、自社で無理なく運用できる内容かどうかを基準にマニュアルの策定・改善を行いましょう。
※この記事は2020年8月21日現在の情報です