ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2021.10.27
オフィスの重要なインフラとなりつつあるのがWi-Fiによるネットワークだ。かつては有線で結んでいたパソコンやオフィス機器などを、無線LANの一種であるWi-Fiでつなぐケースが増えている。そんなWi-Fiの基礎知識から使いこなしまでを紹介する連載の第1回は、最近注目の第6世代Wi-Fiとそこに至るまでの歴史について紹介する。
最近大型の家電販売店を訪れて、通信機器のコーナーに立ち寄ると「Wi-Fi 6」の文字が目につくようになった。最新の無線規格であるWi-Fi6対応の無線ルーターが数多く登場し、“Wi-Fi 6時代の到来”を肌で感じることができる。今回はWi-Fi入門編として改めてWi-Fiの歴史と概要について整理してみたい。
Wi-Fiは無線LANの一つであり、「Wi-Fi Alliance」という無線LAN製品の普及促進を図る業界団体が作ったブランド名である。相互接続性の認証試験に合格した製品には「Wi-Fi CERTIFIED」というロゴの使用が認められる。通信規格の正式な名称は「IEEE 802.11xx」だが、親しみやすさを狙って“Wi-Fi”という言葉が使われてきた。
ちなみに、無線LANとは無線通信を利用したローカルエリアネットワーク(LAN)全般をさす言葉であり、無線通信としては、交通系ICカードに使われる近距離無線のNFC、短い距離で少ない消費電力で通信できるBluetooth、消費電力が少なく遠距離無線ができるLPWA、携帯電話など移動体通信に使われている5Gなどがある。そのそれぞれの特徴は下図の通りで、Wi-Fiは、比較的狭い範囲・短距離をカバーする無線通信ということになる。
Wi-Fiの最初の規格である「IEEE 802.11」が策定されたのは1997年6月で、伝送速度はわずか2Mビット/秒。オフィスに普及していた有線LANと比べるとあまりにも差があり過ぎた。しかも、対応製品の価格が高く、相互接続も保証されていなかったために、なかなか普及しなかった。
この当時に無線LANの本命とされていたのは、実はWi-Fiではなかった。インテルが推進していたHomeRF規格への注目度の方が高かった。この流れを変えたのは1997年7月の“AirMac”(日本以外では“AirPort”)の登場だった。11Mビット/秒と大きく進化した「IEEE 802.11b」という次世代の規格を先取りし、しかも大幅な低価格化を実現した。
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執筆=高橋 秀典
【TP】
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