ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.01.25
これまでビジネスWi-Fiの入門編としてさまざまな角度から情報を提供してきた。そのメリットは十分お分かりいただけたはずだ。今回は実際にビジネスWi-Fiを導入するに当たって留意しておきたい点について考えていく。メリットはたくさんあるビジネスWi-Fiだが、導入時や保守運用段階でのトラブルは避けたいところだ。失敗しないビジネスWi-Fi導入や保守運用のチェックポイントを解説する。
まずは導入の際、どこで何のために利用するのかを明確にすること。それによってビジネスWi-Fiに求められる基本的な機能は変わってくるからだ。例えば、オフィスの通信インフラとして導入する場合は安定してセキュアな通信環境が求められる。店舗で顧客満足度向上のために導入するなら、来客者の使いやすさとマーケティングの情報収集の仕組みが必要になる。具体的にその中身を見ていこう。
オフィスの通信インフラとしてのビジネスWi-Fiでまず求められるのが安定して高速で通信できること。多くの端末で同時接続しても高速で通信できるWi-Fi 6を選びたい。さらにオフィスの広さや形状に合わせて、アクセスポイントを設置することで、快適なビジネス基盤としてのWi-Fi環境が構築できる。電波干渉対策機能が提供されていればさらに安心できる。
もう一つの重要なポイントはセキュリティ機能だ。前回も解説したように、セキュリティは「認証方式」と「暗号化方式」の組み合わせによって確保される。強固な最新の認証方式である「WPA3」と128ビットの鍵を繰り返し暗号化する「AES」の組み合わせで安心して利用できるようにしておきたい。
店舗でビジネスWi-Fiを顧客満足度の向上策としても使いたい場合、まず考えたいのが社内で利用する環境とお客さまに提供する環境を分離しておくことだ。1台のアクセスポイントで社内用とゲスト用のネットワークを分断できる機能を備えているかどうかがポイントになる。もちろん、オフィスの情報インフラ向けにビジネスWi-Fiを導入する際、来客用にWi-Fi環境を提供しようとする場合にも同じことが言える。
ビジネスWi-Fiを介して得たデータを集客やマーケティングに利用したいと考えている場合には、カウントした来店者数や滞在時間を提示してくれる機能やSNSなどの特定のページを表示する機能があると便利だろう。フリーWi-Fiに接続できる無料アプリケーションが利用できると観光客へのアピール材料になる。
店舗で顧客がビジネスWi-Fiを使うのは、主にSNSやネットの閲覧程度なので、通信速度についてはそれほどこだわる必要はないだろう。ただし、同時接続台数に関しては想定移入店顧客数を考慮しながら、余裕を持った機器を選びたい。
また、診療所や病院、工場などのさまざまな電子機器が存在する場合は、上記以外の配慮が必要になる。電波干渉を引き起こしては、通信が正常に行えないだけでなく電子機器の動作にも影響を及ぼす可能性があるからだ。ビジネスWi-Fiを設置する通信事業者にあらかじめ事情を伝えておき、現地の電波調査を実施してもらい、最適なプランを提示してもらうことでトラブルを避けるようにしたい。
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執筆=高橋 秀典
【TP】
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