強い会社の着眼点(第19回)
古いルーターはリスクフル!買い替えポイントは?
公開日:2022.12.08
サービス業、小売業、ホテル・旅館業、あるいは病院など多数のゲストを迎える業界では、顧客満足度向上や集客力向上のためにWi-Fiを提供したいと考えるケースは多い。しかし、以前から自社で業務に使っているWi-Fiをゲストに開放すると、セキュリティ上のトラブルにつながるだけでなく、回線速度や安定性などパフォーマンス面の劣化も懸念され、かえってゲストの不満を招きかねない。
どうすればセキュリティを確保しながら、快適で安定したWi-Fi環境をゲストに提供できるのだろうか。まずは具体的な事例をいくつか紹介する。
サービス業のA社ではビジネスWi-Fiを導入するに当たって、ゲスト向けにもWi-Fi環境を提供したいと考えていた。しかし、業務用とゲスト用のネットワークは分離した方が良いというアドバイスもあり、具体的にネットワークの分離をどう実現するかが課題になっていた。
同社が選択した方法は、周辺の電波状況を調査した上で最新のWi-Fi規格であるWi-Fi6に対応した機器を導入して通信の安定化を図るとともに、仮想LANによってネットワークを分割して利用するというもの。これによってストレスのないWi-Fi環境を、セキュリティの高い状態でゲストに提供できた。
カーディーラーのB社では、店舗を訪れたゲスト向けにWi-Fi環境を提供したいと考え、アクセスポイントのネットワーク名であるSSIDを業務用とゲスト用のネットワークとで切り分けた。
ネットワークを切り分けるに当たってB社が採用したのが、ネットワークの名前が表示されない「SSIDステルス機能」だ。導入を支援した専門会社に「SSIDが複数表示されてゲストが困惑するのではないか」と相談したところ提案された方法で、来客者はネットワークの切り分けを意識せずに利用できるようになった。
広い敷地で旅館業を営むC社では、ゲスト向けのWi-Fiを提供するに当たって、ゲストが行動しそうなエリアの電波調査を実施。電波が届きにくく、接続が不安定なエリアをチェックし、Wi-Fiの中継機を配置して電波状況を改善した。
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執筆=高橋 秀典
【TP】
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