ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2023.10.30
多くの自治体では、いつでもどこでも利用できるWi-Fiの導入を推進している。その目的は大きく3つある。1.地域住民への行政サービスの向上、2.災害時の通信手段としての防災対策、3.外国人など観光客を誘致する観光振興だ。今回は、自治体のWi-Fi活用の実態と留意点を解説する。
Wi-Fiを活用して行政サービスを向上させるためのポイントは、行政サービス自体のモバイル化だ。ペーパーレスによる業務処理を実現するシステムを構築するとともに、役所内にWi-Fiを導入してモバイル環境でも安全に業務を遂行できるようにしていく。役所のロビーなどでは来所者にWi-Fiを解放するのもいいだろう。
ICT活用で先進的な取り組みを行っている福島県会津若松市では、Wi-Fiを活用して役所のロビーにタッチパネル式の受付サービスを設置。各種証明書の発行手続きを行えるようにした。また、職員にはタブレットから申請書の作成を行えるようにして、利便性を向上させている。
2つめの防災対策としての利用では、まず防災拠点、避難拠点として想定される役所、公共施設、学校、博物館や美術館、自然公園などにWi-Fiを整備しておく。災害時には電話回線がつながらない場合も多く、通信手段としてのWi-Fiの重要性が高まるためだ。
各拠点で災害時でもWi-Fiを利用できるようにするには、停電など電力が供給されないケースも想定しておかなければならない。太陽光パネルによる発電機能と蓄電池の設置も考えたい。また、情報収集のためのカメラや情報伝達のためのサイネージ機能を持つ「Wi-Fiステーション」を避難場所などに設置するのも有効だ。
3つめの観光客向けのWi-Fiの導入では大きな経済効果が見込まれる。特に外国人観光客の増加につながれば経済効果は大きく、導入にかかった費用を大きく上回るリターンを得ている自治体も少なくない。新型コロナウイルス感染症防止のための規制が緩和され、今後は外国人観光客の急増が予想される。3大都市はもちろん、それ以外の地域を訪問する外国人観光客の増加も予想されるだけに、ぜひ取り組みたい施策といえる。
地域の観光施設や商業施設にWi-Fiを導入する際には、通信事業者のサービスを活用するのが一般的だ。通信事業者はさまざまなフリーWi-Fiを用意している。これらの中から適切なサービスを選択・導入すれば、観光客にも便利に使ってもらえるようになる。
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執筆=高橋 秀典
【TP】
ビジネスWi-Fiで会社改造