ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2024.10.18
物流業などで時間外労働の上限規制が強化されたことによる人手不足、いわゆる「2024年問題」は、企業の存続にも大きな影響を与えそうだ。例えば、帝国データバンクの調査(人手不足倒産の動向調査(2024年上半期))によれば、従業員の退職や採用難、人件費高騰などが原因の「人手不足倒産」が急増している。2024年上半期(1月~6月)には、前年同期の110件から182件へと急増し、年間に換算しても過去最多を大幅に上回るペースで推移しているという。
この半期の人手不足倒産は、建設業、物流業で急増している。182件の人手不足倒産のうち、建設業が53件、物流業が27件になり、いずれも半期としては過去最高を記録した。また企業規模別に見ると、人手不足倒産の約8割が「従業員10人未満」の中小企業に集中している。建設業や物流業といった業種の問題だけでなく、企業にとって“人手不足”が企業存続を左右する大きなファクターになることが明らかになっている。
では、人手不足倒産とはどのようなものだろう。端的に言えば、「事業継続の上で必要な人員が確保できず、倒産に至ってしまう」ことを意味する。その際、事業が黒字か赤字かという経営状態とは直接の関係がないのが人手不足倒産の特徴だ。事業としては黒字であっても、人員が確保できずに事業継続できなくなってしまうのだ。
もちろん、大きな要因の1つには少子高齢化による生産年齢人口の減少という社会構造の変化があるが、企業個別の課題としては従業員の転退職や、求人に対しての応募者の不在、そして経営者の高齢化、人件費の高騰への対応などがある。
人手不足を感じる企業割合は、引き続き高止まりしている。大企業のように人材を関連会社などから都合するなどが難しい企業にとっては、依然として人手不足は大きな経営課題になる。その上、物流業などではいわゆる「2024年問題」が追い打ちをかけているのが現状だ。多くの中小企業に共通する課題として、こうした人手不足が今後のどこかで顕在化してくる可能性は否定できない。
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執筆=岩元 直久
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