ビジネスWi-Fiで会社改造(第41回)
ビジネスWi-Fiでイベントを盛り上げよう
公開日:2022.05.06
連載第2回から4回において、PRと広告の違いと消費者の購入プロセスの変化を解説しました。そして今回から、それを前提とした具体的なノウハウを紹介していきます。まずは一番大事な、顧客に何を伝えるべきかについて解説しましょう。
連載第3回で、SNS時代になって消費者が何かを「購入する」までのプロセスが、どのように変わったかをお伝えしました。かつて王道だった、しつこく情報をプッシュする「AIDMA」が通用しなくなり、クチコミのシェアの影響力が大きい「AISAS」の時代になったというのがポイントです。
その結果、広告的な販促が効きにくくなり、PRの技術が決定的に重要になりました。広告は必ずコストがかかりますが、PRはコスト0円から始められます。小さな会社やフリーランスで働く個人には大きなチャンスです。だからぜひ、すべての人にPRの技術を身に付けていただきたいと思います。
そこで、ここから先はひたすら実践編。具体的なノウハウをお伝えしていきます。
連載の第5回から7回では、「どんな物語」を伝えるか。あなたの商品、サービス、会社の魅力をどのような言葉で表現するのがいいのか。「PRの基本設計」を作っていただきます。書き込むスペースも多く用意したので、ぜひ活用して実践につなげていただきたいと思います。
そしてその後に、「何を使って」伝えるか。今の時代のPRに必須なSNS活用法をお伝えします。まず、SNSにおけるコミュニケーションの本質とコツ。そして個別のSNSの特徴。一口にSNSといっても、ツイッターとフェイスブックでは、PRで果たせる役割が違います。「AISAS」モデルでそれぞれの機能の違いを明確にし、売り上げにつながる活用のノウハウをお伝えします。
さらに次は、「どう伝えるか」。SNSにメルマガ、店頭での告知などを組み合わせて顧客を引きつけ、購買活動につなげるプロセスをお伝えします。私がめざすのは、VIP顧客を起点とした反響が反響を呼ぶ「段階的プロモーション」です。
それでは、「PRの基本設計」を作る前に、「広めるべき情報」を確認しておきましょう。これからの時代は、高いコストをかけた広告よりも、コスト0円から始められるPR活動。SNSでクチコミの評判が拡散する時代だからこそ、PRの技が生きる。そんなことをお伝えしてきました。では、PRの技を使って最初に広めるべき情報は何か。
それはズバリ、「実績」です。「このペン、いいよ」「この鍋、いいよ」と、自社の製品をひたすら自画自賛しているみたいなPRには、あまり意味がありません。おしゃれだけど、何を伝えたいのか意味の分からないイメージ広告みたいなPRもあまり効果はありません。
重要なのは、あなたではない第三者が、いかにあなたの売る商品、サービスを評価して、買ってくれるかなのです。それが「実績」です。
次の2つの文章を読んでください。2つとも、私が実際に寝具メーカー・エアウィーヴの第1号社員として、看板商品「エアウィーヴ」を〝自己PR〟するために書いた文章です。
【1】極細繊維状樹脂が3次元に絡み合った中素材を使用した、高反発マットレスパッド「エアウィーヴ」。名前の通り、空気を編んだような構造で、雲の上に寝ているような感触です。今お使いの布団の上に重ねてご使用いただけます。ぐっすり眠れるため、女性のアンチエイジングにもオススメです。
【2】フィギュアスケートの浅田真央選手、テニスの錦織圭選手、歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんはじめ、多くのトップアスリート・著名人がこぞって愛用するマットレスパッド「エアウィーヴ」、高反発のため、腰をしっかり支え、寝返りが打ちやすく翌朝に疲れを残しません。JALファーストクラス、NO.1旅館の加賀屋など、一流企業が続々と採用するのも納得の寝心地です。
ここまで読んでいた方なら、どちらが優れた自己紹介か分かっていただけますね。そうです。現実に反響が大きかった自己PRは、【2】。【1】を使っていたときにはまったく売り上げが上がらなかったのに、後者に改善したら顧客の反応は劇的に変わりました。しかし……
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執筆=笹木 郁乃
山形大学工学部卒業後、アイシン精機で研究開発に従事。その後寝具メーカーのエアウィーヴの第1号正社員として転職し、PRに注力。売上高を5年で1億円から115億円に伸ばす急成長に貢献。鍋メーカー・愛知ドビーでもメディア露出により注文殺到でお届けまで12カ月待ちに貢献。その後、2017年ikunoPRを設立、2019年LITAに社名変更。企業のPR支援のほか、経営者や個人事業主、広報担当者などにPRスキルを伝える「PR塾」も主催し、約1000名が長期講座で学ぶ。これまで5年間常に満員御礼開催。2021年7月に2冊目となる著書「SNS×メディアPR100の法則」(日本能率協会マネジメントセンター)を上梓。発売日即日重版。プライベートでは一児の母。
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