ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.06.03
連載第5回で、PRの際にまず広めるべきは「実績」であると解説しました。今回は、それをより効果的に伝える方法を紹介します。そのために作っていただきたいのが「PRの基本設計」です。そして、それを作成する際に心に刻んでいただきたいのが、「顧客は変化を求めている」ということです。
まず、実績をPRすべきとご説明すると……、「そうはいっても、うちの会社の製品にはそんな華々しい実績なんてないし……。そもそも浅田真央さんにも錦織圭さんにも使ってもらっていないのだから、載せようがないですよ」などと、戸惑う方がいらっしゃいます。
そのような方に声を大にして言いたいのは……、実績とは作るものであるということです。最初はどんなに小さくてもいいのです。どんな商品でも何か実績があるはずです。
これまで商品を買ってくれた顧客のリストを眺めて、「あ、隣町の町内会長さんがリピートしてくれているな」とか、「駅前のビジネスホテルが使ってくれているな」とか。それだけでも、気付くのと気付かないのでは、大きな差が出ます。
もしAというビジネスホテルが使っているという実績があったら、今度はちょっと単価の高いBというシティーホテルの人と会ったとき、「実はAのホテルにも導入されていて好評なんです」とアピールする。その積み重ねが、やがてシティーホテルBにも採用され、新しい実績になる。そうやって小さな実績をコツコツと丁寧に積み重ねるうちに、実績が実績を呼んで、一流ホテルでも使ってもらえるようになる。
私が勤めていたエアウィーヴも、最初はほとんど実績がありませんでした。もともとは釣り糸を作る機械を生産していた会社がマットレスを作ってみたのですが、私が第1号社員として入社した当初は、マットレスは1週間に2枚か3枚しか売れておらず、実績と言えるほどのものは何もありませんでした。
だから私は実績作りから始めました。ちょっとした無償提供で接骨院の先生に使っていただいて、「すごくよかったよ!」というお声をいただく。それは小さな実績だと思います。けれど、その声をホームページに載せたり、PR活動に使ったりすると、「接骨院の先生が言っているのなら」と、アスリートやそのコーチ、舞台俳優、モデルの方などにも「使ってみようかな」と思っていただけるようになります。
エアウィーヴを浅田真央さんに使っていただいたのも、そういった小さな実績の積み重ねの結果でした。小さな実績が積み重なって、大きな実績になっていく。実績が実績を呼んで、PR活動の素晴らしい素材が生まれるのです。
●図1「実績を伝える言葉」の具体例
さて、実績の重要性をしつこく強調してきましたが……、「でも、自慢話ばっかりするみたいで嫌だな」と、思った方もいるはずです。ですが、少し考えてみてください。確かに、「嫌みだ」と思う人は多少出てきます。けれどそれをはるかに上回る数の顧客がついて来ます。例えば、実績をうたえば、今は10人の顧客が1000人に増える。けれど数人に嫌われる。
そこであなたは、どう決断しますか。数人に嫌われないために、990人の潜在顧客を捨てるのでしょうか。小さな会社にどんなに立派な実績があっても、自分から強くアピールしなければ、誰も振り向きません。私がエアウィーヴ時代、嫌というほど思い知った現実です。 自分の商品、サービスを「本当にいいものだ」と思うなら、それを広めるのは、あなたの人生のミッションではないでしょうか。「売り手の覚悟」が問われるところです。
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執筆=笹木 郁乃
山形大学工学部卒業後、アイシン精機で研究開発に従事。その後寝具メーカーのエアウィーヴの第1号正社員として転職し、PRに注力。売上高を5年で1億円から115億円に伸ばす急成長に貢献。鍋メーカー・愛知ドビーでもメディア露出により注文殺到でお届けまで12カ月待ちに貢献。その後、2017年ikunoPRを設立、2019年LITAに社名変更。企業のPR支援のほか、経営者や個人事業主、広報担当者などにPRスキルを伝える「PR塾」も主催し、約1000名が長期講座で学ぶ。これまで5年間常に満員御礼開催。2021年7月に2冊目となる著書「SNS×メディアPR100の法則」(日本能率協会マネジメントセンター)を上梓。発売日即日重版。プライベートでは一児の母。
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