ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2022.07.01
連載第6回では、顧客は「変化」を求めていると指摘し、それを理解したうえで実績をPRするようお勧めしました。今回は、効果的に実績をPRするために、絶対に欠かせないものを紹介します。
PRに絶対欠かせないもの。それはストーリーです。
これまでにPRで伝えるべき点を3つ挙げました。
第1に、変化。
第2に、景色。
第3に、実績。
しかしこの3つは、実のところ競合他社も、似たようなものを提供できている可能性が高いのです。マットレスが安眠をもたらすのも、経営セミナーが増収をもたらすのも、トレーニングジムに通って痩せるのも、すごく珍しいことではありません。
それに対し、ストーリーというのは、あなたの会社にしかない、唯一無二のものなのです。 しかし、ストーリーとは何だろう。そう思った方もいますよね。ストーリーとは……
・ なぜその事業(商品やサービス)を始めたのか
・ その事業に対する並々ならぬこだわり
・ 事業が成功する(軌道に乗る)までの苦労
・ 成功した実績(顧客の反応など)
・ 今後の夢
といった、あなたの商品、サービスにまつわるさまざまなドラマなのです。商品そのものはまねできても、ストーリーはまねができません。そう考えれば、「ストーリーは唯一無二のPRポイント」という理由に納得していただけるかと思います。
●図1 ストーリーは「唯一無二」のPRポイント
ストーリーは多くの人の共感を呼ぶものですし、特にメディア向けのPRでは強いフックになるものです。雑誌や新聞、テレビなどのメディアはストーリーが大好き。それは、ストーリーがあると記事や番組などのコンテンツが作りやすいからです。ストーリーがあれば、メディアで取り上げられる確率もグンと高まります。
ストーリーの中でも、特に共感を呼びやすいのが、「苦労」のエピソードです。例えば、このペンを完成させるまでに5万個の試作品を作りました。5万個の失敗作がありました。あるいは、この製品を完成させるのには3年もかかりました。どの工場に行って交渉しても、誰も製造を引き受けてくれなかったけれど、最後にたった一人、協力してもいいという人が現れて、やっと実現したのです、など。
これらのエピソードを、当事者は「恥ずかしい」などとネガティブに捉えがちですが、そんなことはありません。何の苦労もなく完成したペンではなくて、5万個の失敗を経て完成したペンのほうが、商品の説得力は何倍も何十倍もアップします。消費者もメディアも、「だからこそこの会社は素晴らしい」「ぜひ応援しよう」という気持ちになるのです。ですから、苦労話や失敗談をどんどんアピールしてください。
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執筆=笹木 郁乃
山形大学工学部卒業後、アイシン精機で研究開発に従事。その後寝具メーカーのエアウィーヴの第1号正社員として転職し、PRに注力。売上高を5年で1億円から115億円に伸ばす急成長に貢献。鍋メーカー・愛知ドビーでもメディア露出により注文殺到でお届けまで12カ月待ちに貢献。その後、2017年ikunoPRを設立、2019年LITAに社名変更。企業のPR支援のほか、経営者や個人事業主、広報担当者などにPRスキルを伝える「PR塾」も主催し、約1000名が長期講座で学ぶ。これまで5年間常に満員御礼開催。2021年7月に2冊目となる著書「SNS×メディアPR100の法則」(日本能率協会マネジメントセンター)を上梓。発売日即日重版。プライベートでは一児の母。
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