ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2022.03.24
どんなときでも稼ぐ社長の経営習慣として、今回はお客さま志向の小さな行動を徹底することの大切さを紹介します。経営者はお客さまの本当の気持ち、真意は何かと考え抜かなくてはなりません。しかし、それは非常に難しいので、まずはお客さま志向の小さな行動を徹底することを自らが実践し、会社全体に広げていきましょう。
今の時代はとても便利な社会で、皆さんも例えば駅の自動改札機はICカード乗車券をタッチして通っていると思います。こうした便利な社会が、実は会社や働く人の二極化を進めていることを皆さんは理解されているでしょうか。
かつてはどの駅へ行くにしても、切符を買う必要がありました。切符を買うには路線図を見て目的の駅まではいくらかかるかを確認した上で、現金を券売機に入れて切符を買い、場合によってはおつりを確認し、切符を改札機に通す。さらには、その小さい切符を無くさないように持って、到着した駅の自動改札機を出るときに再び取り出して……ということをしていたわけです。
ところが今は行き先すら決めなくても自動改札機にピッとタッチして、着いた先でもピッと鳴らして出るだけでいい。表面的な生活ではものを考えなくても済むようになっている。とても便利なのですが、これが二極化の原因だと改めて理解することが必要です。
そうしたことの裏に隠れているもの自体は、すごく複雑です。これは別に自動改札機のような機械に関わるものだけが複雑になっているというわけではありません。社会全体が非常に複雑になっていて、複雑系の社会の中に皆さんも私も生きているわけです。けれども表面的な生活は簡単になっていますから、多くの人はあまり深くものを考えていないし、そこまで考える必要もありません。
ところが経営者である皆さんは、そうはいきません。経営をしていくには多くのことを考える必要があり、複雑なことに対する思考力がないと対応できなくなっています。現代はこの思考力を持っている人と持っていない人との差がかなり広がっている状況です。働く人の二極化です。
私はビジネスにおいて必要なスキルは「思考力」と「実行力」だと思っていて、その思考力を高めることが、この複雑な時代で経営するためには必要なのです。特に経営は高いレベルの思考力と実行力を必要とするので、能力差が顕著に出る仕事です。経営者はいかに思考力を高め、実行力を高めるかが大事で、それが会社を二極化させていくのではないでしょうか。
お客さまが必要としているものをどう見極めるか。先の時代も読んで自社をどう変えていくか。こうしたことを考え抜かないといけません。そして考え抜いたら、実行に移す。
一方、お客さまの本当の気持ち、真意は何かと考えることが大事だと分かっても、働く人の意識を高めるのはかなり難しいでしょう。では何ができるかというと、お客さま志向の小さな行動を徹底するということに尽きます。意識よりもまず行動。行動を繰り返すうちに意識が徐々に高まってくると言えると思っています。
皆さんの中には空手や剣道、柔道などの武道やお茶、お花の稽古をたしなむ方がいらっしゃるかもしれません。これらすべてに共通するのが、「形から入る」ことです。我々凡人は小さな行動を何千回、何万回と繰り返していくにつれて、意識が高まっていくと私自身は理解しています。皆さんも、そして皆さんの会社で働く社員の方も、あいさつ、電話の応対、伝票の書き方、それら一つひとつがお客さま志向になっていて、そうした行動を徹底できていることが、会社を成長させる大きなポイントです。
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執筆=小宮 一慶
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役CEO。十数社の非常勤取締役や監査役、顧問のほか名古屋大学客員教授も務める。1957年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。米ダートマス大学タック経営大学院に留学、MBA取得。1991年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングに従事。1996年に小宮コンサルタンツを設立。
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どんなときでも稼ぐ社長の経営習慣