誰もが使っているLINE。企業さまや店舗さまとお客さまをつなぐツールとしてのLINE公式アカウントを使った経営戦略があります。今回は、LINE公式アカウントの活用に長けた株式会社クラブネッツの川西氏にお話を伺いました。
いまやLINE利用者は日本人口の約73%、概算で約8,900万人(2021年6月末時点)に上ります。LINEのお客さまの年齢層は、若年層の利用率の高さはもちろんですが、特筆すべきは50代以上の利用者数も高水準です。店舗利用者の年齢層が高いお店にも合っているサービスと言えます。現在も多くの企業さまや店舗さまで導入が増え続け、今では300万件以上の企業さまや店舗さまでご利用いただいています。
LINE公式アカウントで集客するメリットは大きく3つあります。1つ目はお客さまが友だち登録するのが簡単で、お客さまに手間がかからないこと。2つ目は導入企業・店舗さま側が手軽にメッセージを配信できること。3つ目は配信したメッセージの開封率が非常に高いことです。
お客さまは既に自分自身が利用しているLINEアプリで簡単に友だち登録できるため、新たにアプリをインストールしたり、情報入力したりする手間がありません。またいつも利用しているLINEを活用していることと、さらにプッシュ通知によって情報が来たことをお知らせしてくれるため、高い情報伝達率が見込める、というメリットもあります。配信のメッセージ作成や設定はスマホからも手軽に行えるため、緊急時にもその場で配信設定が可能です。
一方で、いくら友だち登録をしてもらっても、途中でブロックされてしまうとメッセージを届けることができなくなってしまいます。そのため、お客さまが「友だち登録していることにメリットがある」と感じられるLINE公式アカウントにしていくことがポイントになります。
LINEは、Facebook、Twitter、Instagramと比較して約2倍の利用者数がいることです。その個人のLINEアプリ上に企業・店舗さま側から情報を配信できるのがLINE公式アカウントなので、当然攻めの情報配信という点では一番の反応率がありますし、機能としてクーポン配信や企業・店舗さまオリジナルのショップカード(電子スタンプカード)をLINE内に構築する、など集客に特化した様々な機能があります。
他のSNSはどちらかというと企業・店舗さまの情報をWEB上に掲載し、それを登録しているユーザーがシェアなどをして拡散することでPRしていく、というのがメインですが、LINE公式アカウントは登録しているユーザーへ攻めの情報配信を行え、情報伝達力が高い(メッセージ配信の反響を得やすい)SNS配信サービスとなります。
LINE公式アカウントはアカウントごとに3つの料金プランがあり、プランによって月額の固定費や費用内で配信できる無料メッセージ通数が異なります。フリープランは0円(1,000通)/月、ライトプランは5,000円(15,000通)/月、スタンダードプランは15,000円(45,000通/月となっております。
ライトプランとスタンダードプランは月額費用内の配信通数を超えた場合も、追加メッセージを利用することで配信が可能となります。その場合、ライトプランは1通当たり5円、スタンダードプランは1通当たり~3円で配信の料金がかかります。
上記のプランに加えて、株式会社クラブネッツではLINE公式アカウントをより活用していただけるように運用サポートを行っており、そのサポート費用を頂戴しております。
友だちを増やす方法は「LINE広告」や「オリジナルのLINEスタンプ」などいくつかありますが、今回はその中ですぐに始められる2つの方法をご紹介します。
まずは、店舗に友だち追加用のPOPを設置することですね。来店されたお客さまに対して、気軽に友だち追加できるように、店舗内の目立つ場所に、友だち追加用のQRコードをPOPやポスターとして掲示しましょう。友だち追加特典として、クーポンを設定している場合は、クーポン内容を掲示物に記載しておくと、より友だち追加してもらいやすくなります。
次に、従業員の方からのお声掛けです。POPやポスターの掲示だけでなく、より友だち登録を促進するためには、来店されたお客さまに対して従業員さまからのお声掛けが重要となります。
お客さまに対して掲示物を案内することにより、スムーズに案内できる環境を整えましょう。中には、「お客さまに対してお声掛けをすることを嫌がる人もいるのでは?」と考える従業員の方もいるかもしれませんが、お客さまが友だち追加するメリットを明確に伝えていけば、LINE公式アカウントの友だち数が伸びていきます。
まずは、あらかじめ期間を設けて何人にお声掛けするか目標を立てていきましょう。
どのような施策でリピーターを増やせばよいでしょうか?
お客さまをリピーターにするためには、定期的な配信でPRすることが必要です。ただ、本業が忙しくなかなか配信ができない方も多いかと思います。
そんな方には、LINE公式アカウントの機能にある「ステップ配信」がおすすめです。「ステップ配信」は、友だち追加したお客さまに対して、友だち追加●日後(30日後まで)というタイミングとそこで配信される内容を決めておけば、友だち追加したお客さまに対して自動で設定内容に合わせて情報が配信される機能です。
具体的なリピート戦略についてお伺いします。
LINE公式アカウントではテキスト情報を配信するだけではなく、クーポンを付けてメッセージ配信することができます。クーポンを付けてメッセージ配信することで、LINE公式アカウントの情報配信からどれくらいの来店につながったのか、効果を検証することができます。
様々な方法でクーポンをお客さまに送ることができます。例えば、友だち追加の特典として、自動でクーポンを配信することもできますし、リサーチ機能(アンケート)を使って、お客さまから回答を取得する際に、お礼としてクーポンを配信することもできます。
また、クーポンに当選確率を設定して、当選したお客さまのみクーポンが利用できる抽選機能もあり、抽選会イベントの抽選券としてもご活用いただいております。クーポンを配信する際に重要なのが「タイミング」や「シーン」です。このポイントをおさえて配信すれば、集客効果はさらに大きくなります。いくつかの例を見てみましょう。
【新商品発売・イベント・キャンペーン時】
新商品発売時にクーポンを配信することで、「新商品を試してみようかな」という動機付けになります。また、「タイミング」を意識することでクーポンはより効果を発揮しますので、新生活が始まるタイミングや、飲食店であれば土用の丑の日・節分・バレンタインデーのイベントなど、タイミングをおさえることで、結果に大きな違いが生まれます。
【定期配信】
定期的なクーポンの配信は、ブロック防止やお客さまとの良好な関係の構築に役立ち、「友だち登録し続ける」メリットを感じてもらうことにつながります。
例えば、空席の多い時間帯など企業さま側が来客を望むタイミング限定で利用できるクーポンを配信することで、その時間帯ピンポイントでの集客に役立ちます。
【リサーチ機能】
LINE公式アカウントには「リサーチ」と呼ばれるアンケート機能が備わっており、アンケートで「どのような情報がほしいか」や「どのような特典が嬉しいか」などお客さまに直接ヒアリングをすることで、今後、お客さまが求めている情報や特典についての改善と効果を上げることができます。
効果が見込めるクーポンの配信方法は?
【クーポンの見せ方を変更】
クーポン内容は変更せずに、通常クーポン配信から「リッチメッセージ」機能を活用した配信にすることで見せ方を変更したところ、クーポンの開封数・使用数を約3倍上げることができた例があります。リッチメッセージ機能を活用することで、内容自体が見やすくなり実利用につながりやすいです。
【クーポン有効期間内でリマインド配信】
クーポン期間中にクーポンのリマインド配信を実施したところ、リマインド配信なしのクーポンと比較し、クーポン使用数が約4倍に上がった成功事例があります。
※クーポン内容は同じです。期間中のリマインド配信は、クーポン配信自体の見逃し防止とクーポン使用忘れ防止につながるため有効な手段と言えます
クーポン配信の成功事例があればよろしくお願いします。
ある焼肉店の例を紹介しましょう。毎月29日に「肉の日」としてクーポン配信をされています。ただし、それだけですと一般的な配信方法なのでお客さまは毎月29日に配信されるクーポンに慣れてしまいます。
お客さまにとって目新しさがなくなってしまうとクーポン開封率が大幅に落ちてしまうのですが、この焼肉店の場合は、あえて全員必ずもらえるクーポンではなくお客さま参加型の抽選クーポンとして配信することで、抽選に当たったという顧客体験を演出しつつクーポン開封率を上げることができました。また同じ内容の特典でも開封率だけでなく、利用率も高めることができました。
LINE公式アカウントをブロックされないために、必要なことはなんでしょうか?
まず前提としてLINE公式アカウントを運用する上で一定数のブロックは必ず発生します。LINE公式アカウントの特徴として、友だちを集めやすいがブロックも容易にできるという点があります。一度友だち追加をしたものの、お客さまにとって有益な情報が配信されないのであれば簡単にブロックされてしまいます。
そのため、可能な限りブロックされないようにするためには、お客さまにとって有益な情報を適切な頻度で配信することが必要です。
商品のPRのみ行うのではなく、セールやイベントの告知、クーポンの配信を定期的に行うことがブロック防止につながります。また、商品PRを行う際も商品の特性や良さをイメージしやすい内容の配信を行うことも重要です。具体的な例として、美顔器であれば文章だけでは商品の良さが伝えにくいため、美顔器を使用しているイメージの動画などを合わせて配信します。このようにパッと見ただけで伝わるような配信内容の工夫の仕方なども株式会社クラブネッツではサポートしております。
また、お客さまにとって有益なセール情報などでも毎日配信をしてしまうと、ブロックにつながります。業種によって適正な配信頻度は異なり、一般的には週に1回程度ですが、運用しながら自店の適性を見極めることが必要です。
そのほか、ショップカード機能を使うことで、来店ポイントなどお客さまの継続的な行動で特典を得られる環境を作ることもブロックの防止につながります。
他に、LINE公式アカウント導入した後の成功例はありますか?
はい、もちろんあります。LINE公式アカウントの機能やクーポン配信を活用されて、実際に成功した店舗さまの事例をお伝えしましょう。
まずは飲食店の事例です。コロナ前からLINE公式アカウントを活用されており、友だち数は1,000人超えでした。しかし、コロナ禍による緊急事態宣言の影響もあり来客数・売上は激減しました。そこで、集客するためにLINE公式アカウントからのみ「お弁当販売開始」の告知をメッセージ配信したところ、多い日で「ワンコイン(500円)弁当」が500食売れたということがあり、その日はお弁当だけで25万円の売上を作ることができました。
この成功により日頃からLINE公式アカウントを利用し友だち数を伸ばし続けることの大切さと、LINE公式アカウントによる訴求力と即効性を感じることができました。
他の業界ですと、温泉施設での友だち獲得成功事例などがあります。LINE公式アカウントを開設して約2週間で友だちを約500人まで集められましたが、もっと飛躍的に友だち数を伸ばしたいと考えていました。そこで「●月●日にLINEで通常料金入浴料●円のクーポンを配信します。」とクーポン配信告知を店頭にPOPにて行ったところ、1ヶ月後告知前に比べ友だち数を3倍以上飛躍的に伸ばすことができました。
さらに、その1ヶ月後には友だち数が約3,800人にまで上がりました。店頭でのクーポン事前告知を認知されるまで実施したことで「飛躍的に友だち数を伸ばしたい」という目標を達成することができました。
最後に、LINE公式アカウントを始めようと考えている事業者にメッセージをお願いします。
LINEは世代や性別に問わずお客さまの利用率が高く、LINE公式アカウントは「本当に情報を必要としている」お客さまに直接情報を届けられる訴求力と即効性を兼ね備えた集客ツールです。
企業さまや店舗さまとお客さまをつなぐLINE公式アカウントは「店舗さまのファン」を増やすツールでもあります。ただ一方で、店舗さまのファンである「友だち」数を増やし、かつブロックされずに継続して登録していただき続けるためには、魅力ある情報を発信し続ける工夫が必要となります。
店舗さまの運営のご都合によりLINE公式アカウント管理に十分な時間を割けない方、操作が不慣れな方は、ぜひLINE公式アカウントの運用をサポートするサービスの活用もご検討ください。
※料金は全て税別価格です
専門家プロフィール
川西 大志
2013年クラブネッツ入社。入社当時は全国の販売代理店さまの営業支援に従事。2019年より導入企業さまのサポートチームに配属。現状は既存加盟企業さま・店舗さまへの企画提案やサポートセンターの統括を行う。
※「LINE」はLINE株式会社の商標または登録商標です
※「Facebook」はMeta Platforms, Inc.の商標または登録商標です
※「Twitter」はTwitter, Inc.の商標または登録商標です
※「Instagram」はMeta Platforms, Inc.の商標または登録商標です
※NTT西日本は本サービスの販売取次を実施します
※この記事は2021年9月時点の情報です