専門家が伝授する経営突破ナビゲーション(第9回)【プロが伝授】集客に活かすホームページの作り方と運用方法

デジタル化

公開日:2022.03.02

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 飲食店や個人事業主にとって、いまや欠かせないものになっている自社ホームページ。集客や認知度を上げる方法として重要な役割を担っています。しかし、ただお店の情報を載せるだけでは効果を発揮できません。そこで今回は、ホームページを作るときのポイントや方法について、現役WEBコンサルタントの中山陽平さんに具体例を交えながら教えてもらいました。ホームページ作成の参考にしてください。

そもそも自社のホームページ作成は必要でしょうか?

 インターネット利用者が増加し続けているため、ホームページがないと商売上のデメリットはますます増えるでしょう。とくに、飲食店やホテルなどのビジネスにおいては、ホームページがないとお客さまの選択肢に含めてもらえないこともあります。

 またホームページがあれば、検索エンジンからの導線確保につながります。業種によってはSNSだけでいいのでは?と言われることもありますが、どうしてもSNS系だけでは検索エンジンからの集客が弱いこともデメリットのひとつです。そのため、自社ホームページ作成はとても重要です。

ホームページを作るときの流れについてお伺いします。

 ホームページも実店舗と変わりません。最初から内装を考えるのではなく、どういう店作りをしたら、競合に勝ち、お客さまに選ばれるかを最初に考えます。それが固まったら、それに合った「コンセプト」を作ります。そしてそのコンセプトをお客さまに伝えるために必要な「コンテンツ」「機能」を作り、スムーズに伝えるための「デザイン」を施します。そして最終的にホームページとして見ることができるように「コーディング」を行ったり、制作ツールを使ったりするなどして全世界で閲覧できるようにします。これが基本的な流れです。ホームページを作成するには、「考える→作る→知らせる」という3つのポイントが重要です。

 第一に「考える」です。とにかく「どういう店作りをしたら、競合に勝ち、お客さまに選ばれるか」をトコトン考えることです。感覚的には全体の8割はここに使っても良いでしょう。ホームページに限ったことではないですが、考える枠組みとしてはマーケティングの基本である3C分析が便利です。3C分析とは顧客・競合・自社という3つを軸として「競合のお店にどうやれば勝てるのか?」「お客さまに選んでもらうにはどうしたら?」など、市場での勝ち方を考える枠組みです。ゼロから「どうやったら勝てるかな?」と考えるのは大変。こういった枠組み=フレームワークを使いましょう。3C分析はとてもメジャーなので、参考書籍やネット上の情報も豊富ですので、是非調べてみて下さい。

 また、1人で考えるより大勢で考えることをおすすめします。1人で考えると、どうしても見ている物や価値観が偏っていたり、ついつい都合良く考えたりしてしまいがちだからです。お客さまと接している人を中心にみんなで考えて意見を持ち寄ってみましょう。
ホームページだからといって特別なことは何もありません。情報を載せる場所や接客する場所が、店舗かネットかの違いだけです。「これって、どうやったらネットでできるかな?」という手段の部分は専門家のアドバイスが必要かもしれませんが、何をすべきか?は皆さまで考えられるはずです。

 第二に「作る」です。「考える」ことを経て、作りたい物が決まったら、実際にホームページを作ってみましょう。前述した通り、今やプログラミングの知識などはもちろん不要、Wordで文章を書く感覚でホームページは作ることが可能です。特にクラウド型のホームページ作成ツールがおすすめです。昔はパソコンにHP作成ソフトをインストールして作るのが普通でしたが、今はネットに管理画面があってログインすればどのパソコンやスマホでも更新ができる、クラウド型が便利でおすすめです。今のクラウド型HP制作ツールは、初心者むけにも作られていて、かんたんに、専門知識も不要で作成できます。皆さまが一番悩む「デザイン」も、デザインのテンプレートがたくさん用意されてすぐ使えるので安心です。「Wix」や「Jimdo」などが有名で利用者も多くおすすめです。ある程度慣れてきたら、カスタマイズ性が高い「WordPress」もよいです。ただ、その分少し知識が必要です。

 ホームページ作成というと、HTMLなど専門知識がないと作る事ができないという印象を持っている方がおられるかもしれません。しかしそれは昔のこと。今は簡単に作れるツールがたくさんあります。本格的なデザインをすぐに使える仕組みもあります。なので、いわゆる「ホームページ制作」作業は残りの20%くらいのイメージで十分です。そしてもう1つ大事なのは、ホームページは作った所がスタートラインだということ。お店と同じように継続的な改善作業や露出のテコ入れが必要です。言い換えると、ホームページを訪れてもらう工夫が重要です。作ったら後は自動集客機のごとく人を連れてきてくれるわけではない、ということをおさえておきましょう。

 第三に「知らせる」です。どんなに良いホームページができても、見てもらわないと意味がありません。リアル店舗と違い、自然に見つけてもらうことは非常に難しいのがネットの特性です。偶然お店の前を通る…なんてことはないからです。このとき大事なことは「ネットなんだからネットから集客するしかない」と無意識に思い込まないこと。少し詳しい方はSEO(検索エンジン最適化)という言葉をご存じかもしれません。確かにネットの検索エンジン経由でお客さまが来てくれる可能性はありますが、特に飲食店は類似店が多く、競争が激しいです。ネット経由だけに期待して待ちの営業をしていても、往々にしてホームページにはほとんどアクセスはありません。なので、特に飲食の場合は「リアルで来たお客さまをホームページに連れて行く」ことを大切にしてください。目標は来店者全員がホームページにアクセスしてくれることにしましょう。

 お客さまは、あなたの店を「良いお店」と感じたら、あなたの店を覚えておきたいもの、また他にどんなものがあるかな?とより知りたくなります。そこでホームページがあれば、いくらでも情報を提供できますし、予約できるようにすれば予約サイトへの依存率も下がります。LINEやInstagramも組み合わせるといいですね。ホームページのような情報量は載せられませんが何より手軽でプッシュ配信もできます。

 ホームページに情報を載せても意味があるの?と思われる方もいるかもしれません。しかし「ある」のです。たとえば、通販商品にチラシを同梱して、その商品にかける思いやこだわりなどを知っておいてもらったら、食べたときの味は変わると思いませんか?事前にお客さまに自分たちの商品やサービスについて、情報を入れてもらえるかどうかで、価値の伝わり方やその後の反応にとても影響を及ぼします。

 このように、第二、第三といった流れには「考える」の項目が必須です。マーケティング分析とも呼んでいます。

マーケティング分析の具体的な成功事例についてお伺いします。…

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執筆= NTT西日本

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