総務省の公開資料「令和2年 通信利用動向調査(企業編)」によると、クラウドを利用する企業はここ数年右肩上がりで増えています。テレワークが浸透した影響もあり、インターネット環境さえあれば「どこからでも」「誰でも」「あらゆるデバイスから」必要なデータにアクセスできるクラウドへの注目度はますます高まるでしょう。ここでは、クラウド導入のメリットや導入までの検討フローを紹介します。
最初にクラウド、クラウドサーバーとは何かを理解しましょう。クラウドは「クラウドコンピューティング」を略した言葉で、ネットワークやサーバー、ストレージ、アプリケーション、サービスなどのコンピューティングリソースにネットワーク経由でアクセスできる仕組みです。それまでパソコンの中に物理的に保存されていたデータやファイルをインターネット上に預けるという新しい概念によって、ユーザーはインターネット環境さえあれば「いつでも」「どこからでも」データやファイルにアクセスできるようになりました。
サーバーを自社で保有するオンプレミスではなく、外部のクラウド事業者が保有するサーバーやネットワーク環境を利用するのが、クラウドサーバーです。クラウドの環境によって、パブリッククラウドとプライベートクラウドの2つに分けられます。
企業がクラウドの導入によって期待できるメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。ここではパブリッククラウドとオンプレミスを比較します。
導入コストを抑えられる
クラウドは導入する際、サーバーやアプリケーションを物理的に構築する必要がありません。購入するハードウエアも不要のため、オンプレミスと比較すると初期費用が低く抑えられます。
また自社の保有データが増えた場合、オンプレミスではハードウエアを物理的に拡張する必要がありますが、クラウドはサービスプランを変更するだけで拡張できます。
生産性の向上が見込める
インターネット環境さえあれば場所を選ばずアクセスできることで、自宅や外出先からのテレワークなどを実現しやすいのがクラウドの魅力です。従業員のライフスタイルに合わせた働きやすい環境を整えることで、生産性の向上が期待できます。
運用負担を軽減できる
クラウドの運用はクラウド事業者に任せられるため、オンプレミスのように運用担当者を用意する必要がありません。そのためシステムを安定的に運用する、独自で情報セキュリティ対策を行うといった運用の負担を軽減できます。
導入が早くすぐに利用開始できる
クラウドはすでに存在するコンピューティングリソースを活用するため、契約後すぐに利用できます。オンプレミスの場合はハードウエアの購入や設置スペースの確保、システム構築、人員確保などが必要になります。
コスト把握が容易
クラウドサービスは、コストの把握が簡単です。従量課金制のクラウドであれば、一定期間内の使用量に応じて料金を支払います。使用量の急激な変動がなければ、年間利用料の事前予測は容易です。またオンプレミスの場合は、購入したハードウエアは固定資産として計上する必要がありますが、クラウドなら経費として計上できることがあります。
災害対策に有効
クラウドは、災害対策としても有効です。自社オフィスに地震や台風などの自然災害が発生し、万が一オンプレミスのサーバーが破損したら、データそのものが失われるかもしれません。
クラウドであれば、自社オフィスが被災したとしてもデータが失われることはありません。もちろんクラウド事業者が提供するサーバーにも被災リスクはありますが、免震・耐震構造の建物や自家発電装置の用意、各種バックアップ体制などさまざまな対策がほどこされているため、一定のリスクヘッジが期待できます。
企業で利用されているクラウドサービス
前出の「令和2年通信利用動向調査」によれば、利用目的の上位5項目は次のような結果でした。
1位 ファイル保管・データ共有
2位 電子メール
3位 社内情報共有・ポータル
4位 スケジュール共有
5位 給与、財務会計、人事
同資料では、回答した約2000の企業のうちクラウドサービスを利用している割合は上昇傾向が続いており、令和2年の段階で7割を超えています。理由として最も多かった回答は「場所、機器を選ばずに利用できるから」「資産や保守体制を社内に持つ必要がないから」でした。さらに利用の効果として「非常に効果があった」「ある程度効果があった」という回答は8割を超えており、クラウド利用が業務に良い影響を与えていることが伺えます。
最も用途が多い「ファイル保管・データ共有」でどのクラウドサービスを利用するか迷っている場合は、NTT西日本の「おまかせクラウドストレージ」をおすすめします。ツールをインストールすればデスクトップ感覚でファイルのやり取りが行えるため、従業員同士のファイル共有はもちろん、外部とのファイル共有も可能です。ストレージ機能だけでなく、自動ウイルスチェック機能やファイルのバージョン管理機能※なども備えており、クラウド活用による業務効率化のメリットを十分に得られるでしょう。
※バージョン管理機能:ファイルを上書き保存すると、1つ前のファイルが「バージョンファイル」として保管されます。保管期間は7日間で、バージョンファイルとして保管されてから7日経過すると自動的に削除されます
まとめ
人手不足に伴い、いかに生産性を高めるかは各社の重要な経営課題になっており、クラウド導入は費用対効果の高い手法の1つです。クラウドサービスのメリットやデメリットを踏まえながら、自社にはどのようなサービスが必要なのか検討していくとよいでしょう。
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・おまかせクラウドストレージのご契約には、NTT西日本が提供する「フレッツ光 ネクスト」、「フレッツ光 クロス」、「フレッツ光 ライト」、もしくは光コラボレーション事業者が提供するFTTHアクセスサービスいずれかのご契約が必要です。
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