ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2023.03.07
クラウドサービスの普及に伴い、ビジネスシーンにおいてインターネットが安定して使える通信環境は必須となりました。とはいえ、Wi-Fiの通信速度が遅く、仕事が円滑に進まないというトラブルもよく耳にします。本記事ではWi-Fiが遅くなる原因や、対処法について解説します。
目次
・オフィスのWi-Fiが遅いと起こり得る悪影響
・なぜWi-Fiの通信速度が遅くなるのか
・Wi-Fiが遅いと感じるようになった場合の対処法(一般従業員向け)
・Wi-Fiが遅いと感じるようになった場合の対処法(IT管理者向け)
・通信回線の乗り換えという方法も
・まとめ
インターネットの活用が不可欠になっている現在のビジネスにおいて、オフィスのWi-Fiの通信速度が遅くなると、さまざまな悪影響が生じます。
業務効率が低下する
Wi-Fiの通信速度が遅いと、業務効率が下がる可能性があります。従業員は日常業務の中で、検索サイトで調べ物をしたり、電子メールを送ったり、クラウドベースのアプリケーションを使用するなど、インターネットを常に利用しています。しかし、通信速度が遅い、あるいは不安定であれば、Webサイトの表示やファイル送受信に時間がかかり、結果として業務そのものが遅れることになります。
従業員のストレスがたまる
Wi-Fiの通信速度の遅さは、従業員にストレスを与える大きな原因となります。多くの方がネットワークの応答を長々と待ち、イライラした経験はあるでしょう。
通信速度の遅延が何度も発生すると、通信環境を満足に整備できない自社に対して、従業員の不満が向くおそれもあります。そのため常日頃から通信環境の整備を行うことが重要となります。
顧客の信頼が低下する可能性が高まる
インターネットを使って顧客とやり取りしていると、通信速度の遅さが原因で、顧客が不満を抱く可能性もあります。
例えば、顧客対応やカスタマーサポートなどのために、チャットやSNS、オンライン会議システムなどでリアルタイムコミュニケーションを行う際、通信速度が遅ければレスポンスも遅くなってしまいます。また、顧客の質問に回答するためのデータベースへのアクセスが遅くなれば、結果的に顧客対応も遅くなるでしょう。このような対応の遅れは、顧客側の時間を浪費するものであり、自社に対する顧客の信頼を失う恐れがあります。
Wi-Fiの通信速度が遅くなる原因は複数あります。ここでは、主に4つを紹介します。
原因1:Wi-Fiルーターから端末までの距離が遠い、または障害物がある
Wi-Fiルーターと端末の物理的な環境に問題があるケースです。例えばオフィスが広い場合、Wi-Fiルーターから端末までの距離が遠すぎて、Wi-Fiが不安定になることがあります。
壁などの障害物に阻まれて、Wi-Fiの電波が遮断されるケースもあり得ます。特にオフィスの場合、電波を遮りやすい鉄筋コンクリートなどで建築されていることが多く、壁を隔てるごとにWi-Fiルーターからの電波は弱くなります。この他にも、水槽や金属製の棚やラックなども、電波を遮りやすい物として挙げられます。特に高速で通信する5GHzの周波数帯は、電波の届く範囲が狭く、障害物に弱いという特徴があります。
原因2:接続している端末が多い
多くのWi-Fiルーターには、同時に接続できる端末数(同時接続端末台数)が設定されており、上限を超えた台数で接続した際に通信速度が遅くなる可能性があります。業務で使用する端末台数が増えたり、従業員を増員したりした場合、あるいは店舗などでWi-Fiを利用する顧客が増えた場合に、こうした問題が起きやすいです。
原因3:Wi-Fiルーターもしくは端末に不具合がある
そもそもWi-Fiルーターに問題があるケースも考えられます。Wi-Fiルーターは精密機械で熱に弱いため、熱を発する他の機器と一緒に設置している場合、障害や不具合が起こりやすくなります。
Wi-Fiルーター側に問題が無くても、端末側が低スペックであったり、不具合が起きていたりする場合は、通信速度が遅くなります。例えば、「特定の端末だけWi-Fiの通信速度が遅い」「端末を変えたら普通にWi-Fiを利用できる」ケースでは、Wi-Fiルーターではなく端末に問題がある可能性が高いです。情報セキュリティ対策のためにインストールされたファイアウォールなどのツールが影響を与えていることもあります。
原因4:電波干渉が起こっている
周囲に強力な電波を発している機器がある場合、電波干渉によって通信状態が不安定になっているおそれがあります。特にWi-Fiで使われている周波数帯のうち、2.4GHz帯は家電製品(特に電子レンジなど)と周波数帯が同じであるため、通信速度が遅くなる可能性があります。
ここからは、遅いWi-Fi速度を改善する方法を解説します。まずは、一般の従業員でもできる簡単な対処法を紹介します。
対処法1:Wi-Fiルーターの設置場所を変える
Wi-Fiルーターの設置場所が悪い場合は、場所を変更してみましょう。水槽の近くや金属製の棚といった電波を遮りやすい場所や、電子レンジやIHヒーターなど強力な電波を放つ家電のそばから離すだけで解決する可能性があります。Wi-Fiルーターと端末間の距離が遠い場合は、なるべく端末の近くにWi-Fiルーターを設置するようにすべきです。
対処法2:Wi-Fiルーターの設定を変える
Wi-Fiルーターの設定周波数を変えることも、有効な手法です。単純に通信速度を上げたい場合や、電波干渉を避けたい場合は、5GHzに変えるのがおすすめです。Wi-Fiルーターとの距離が遠い場合や、障害物によって電波が遮られている場合は、2.4GHzが有力な選択肢になります。
2022年からは、6GHz帯の電波を搭載したWi-Fiルーターも登場しています。6GHzは、2.4GHz・5GHzよりも独立したチャンネル数が多く、混線や電波干渉のリスクが低いうえ、通信速度も高速という特徴があります。
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執筆= NTT西日本
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