個人事業主・小さな会社の納税入門(第9回)退職金確保と節税に使える小規模事業共済のススメ

資金・経費

公開日:2023.04.18

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 個人事業主やオーナー社長の所得税・住民税の節税対策として、第7回で「所得控除」の一つである「小規模企業共済等掛金控除」の対象となるiDeCo(個人型確定拠出年金)について解説しました。今回は退職金制度である「小規模企業共済」を活用した節税手法について紹介します。

 小規模企業共済とは、小規模企業共済法に基づいて1965年に発足した制度で、中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業の経営者や個人事業主のための退職金制度となっています。サラリーマンは勤務先によっては退職金制度がありますが、個人事業主の方などにとっては、この小規模企業共済が退職金の役割を担います。

 小規模企業共済制度には、個人事業主や小規模企業の経営者または役員が加入できますが、事業専従者である配偶者やサラリーマンなどは加入できません。加入資格は、業種に応じて常時使用する従業員の数が20人または5人以下の個人事業主または会社等の役員とされています。

 従業員数20人以下の業種ですが、建設業・製造業・運輸業・サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)・不動産業・農業などで、従業員数5人以下の業種としては、卸売業・小売業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)などが該当します。そして、小規模企業共済は退職金制度ですので、個人事業の廃業も退職と考えられ、法人成りをした場合や解約した場合にも共済金を受け取れます。

 小規模企業共済の掛け金は、月額1000円から7万円まで500円単位で自由に選択できます。ですから掛け金を最高額の7万円にすれば、年間で最大84万円の所得控除を受けられます。このように、個人事業主の方やオーナー社長にとっては節税対策と廃業時などの退職金の確保という観点からもiDeCo同様、上手に利用していきたい制度です。

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