ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2023.06.12
小さな会社のオーナー社長の場合、会社のお金も自分のお金と考え、簡単に会社からお金を借りてしまう場合が少なくありません。このときの会社の経理処理での勘定科目は「代表者貸付金」となり、決算期において、社長から会社への返済がすべて済んでいない場合には、決算書の貸借対照表に「代表者貸付金」として記載されます。
オーナー社長が会社からお金を借りる理由はさまざまですが、例えば、社長個人の費用の支払いを会社が行っているケースや、会社の利益を増やすために役員報酬を低く抑えた場合などに、社長とはいえ生活費が必要となり、その資金に充てるために借り入れるときがあります。また、経費の領収書をなくしてしまい、費用に落とせなくなったときなど、社長への貸し付けで処理する場合もあります。
オーナー社長にとっては、自身でお金を出して会社を設立し、すべての経営責任を背負い、はたまた会社が銀行などから融資を受ける際には、連帯保証人としての責任を負うため、「会社は自分のもの」と思うのも理解できます。しかし、会社が代表者にお金を貸していれば、返してもらわない限り会社の貸借対照表上にこの「代表者貸付金」は残ってしまいますし、貸し付けた分、会社の現金・預金は減少していきます。
このような「代表者貸付金」ですので、活用するメリットはまったくと言っていいほどありません。反対にデメリットは多数あります。以下に主な「代表者貸付金」のデメリットを4つ上げます。
【デメリット1】
銀行などの印象が悪くなり、場合によっては銀行などから代表者貸付金の完済が求められます。銀行などから融資が受けられなくなる可能性もあり、まさに会社にとっては死活問題となります。
なぜ印象が悪くなるのかというと、「代表者貸付金」がある会社は、オーナー社長が私的に会社のお金を使っているのではないか、返済する見込みがないのではないかとみられる可能性が高いからです。銀行などは融資する際に返済が可能な会社かどうかを判定します。その際に毎年の決算期の勘定科目に「代表者貸付金」があるようですと、融資しても最終的には社長個人に使われてしまうのではないかと考え、融資を行わない場合もあります。
【デメリット2】
会社は貸付金に伴う受取利息の計上から、結果として負担する法人税が増えてしまいます。会社が社長にお金を貸した場合、利息を取る必要があります。この利息は法律で定められている利率で計算され、法人税の課税対象です。この利息分の法人税が納税されていなければ、税務調査の際には必ず指摘されます。
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個人事業主・小さな会社の納税入門