個人事業主・小さな会社の納税入門(第12回)代表者借入金は便利だが、膨らみ過ぎに注意

資金・経費

公開日:2023.07.11

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 前回は、会社がオーナー社長にお金を貸し付ける「代表者貸付金」について取り上げました。この「代表者貸付金」は活用するメリットがほとんどなく、デメリットが数多く発生するということについて説明しました。

 今回は、「代表者貸付金」の逆となる、会社がオーナー社長からお金を借り入れる「代表者借入金」について取り上げます。

社長が同意すれば利息を支払う必要なし

 「代表者借入金」は会社の運転資金などを調達するため、オーナー社長がプライベートで蓄えている資金の一部を会社に充てて、会社の資金に余裕ができた時点で返してもらうものです。オーナー社長からみれば会社に対する貸付金ですし、会社からみればオーナー社長からの借金となります。

 会社にとっては、借入金は将来に向けて返済しなければなりませんが、オーナー社長からの借入金は都合がつくまで返済する必要はなく、金融機関からの借入金とは違って返済のタイミングは自由です。ですから、会社において資金繰りの余裕が生まれた時点で返済できるということになります。

 また、オーナー社長が同意すれば利息を支払う必要もありません。これは、「代表者貸付金」の場合とは大きく異なります。さらに、資金調達の方法に出資がありますが、出資の場合、出資額の半分以上を資本金に組み入れなければならないので、場合によっては資本金の増加による租税特別措置法上などの特例が受けられなくなります。しかし、借入金として会社がオーナー社長から調達した場合は資本金が増加することはないので、中小企業に適用される優遇税制の適用に影響はありません。

 また、オーナー社長から見た場合、出資ですとお金を返してもらうことはできませんが、会社への貸付金であれば、会社に充てたお金もいずれは返済という形で戻ってきます。このように、一見資金調達などに都合の良い便利な方法ですが、「代表者借入金」には気を付けなければならないポイントがいくつかあります。

都合の良い便利な資金調達の方法だが、注意点も…

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