個人事業主・小さな会社の納税入門(第14回)税金が優遇される“新NISA”制度を活用(後編)

資金・経費

公開日:2023.09.11

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 前回は、2014年1月にスタートした「NISA(ニーサ)制度」について解説しました。今回は、2023年度税制改正により2024年以降から新たにスタートする「新NISA制度」の改正のポイントについて、現行制度と比較しながら解説します。

 2023年以降、NISA制度は18歳から利用できるようになりました。NISA口座を開設する年の1月1日現在、18歳以上で日本に在住する方が利用できます。大学生でも利用できるようになりましたし、職業による制約もありません。

 そして2023年までで「一般NISA」と「つみたてNISA」は終了となり、2024年以降「新NISA」が始まります。この「新NISA」には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。「つみたて投資枠」とは、一定の投資信託を対象とする長期、積立、分散投資の枠で、これまでの「つみたてNISA」の役割を引き継ぎます。「成長投資枠」とは、上場株式への投資が可能な枠で、これまでの「一般NISA」の役割を引き継ぎます。

 それでは、「新NISA制度」の改正のポイントを解説します。次の5項目について、現行制度との比較もあわせて説明していきます。

1)NISAの恒久化が実現
 現行のNISAを利用して非課税で投資できる期間は、現行の「一般NISA」が2023年まで、「つみたてNISA」が2037年までと決められていました(今回の改正とは別に「新NISA」としてそれぞれ5年ずつ投資を開始する期間が延長されることとなっています)。

 これに対して「新NISA」では、2024年以降、非課税期間が無期限化されて口座開設可能期間の期限がなくなりました。つまり、恒久化されたので期限を気にせず投資ができるようになり、将来、非課税でなくなる心配をしないで済むようになります。

2)非課税保有期間が無制限に
 現行の「一般NISA」の非課税保有期間は5年、「つみたてNISA」の非課税保有期間は20年でした。この期間を過ぎると、保有していた商品は課税口座(一般口座や特定口座)に移して保有しなくてはなりません。ですから、課税口座に移した後に発生した利益に対しては税金がかかります。これに対して「新NISA」では、投資した商品は非課税保有期間が無期限ですので、期間を気にせずにいつまでも運用益などの利益が非課税となります。

3)年間投資上限額が大幅に引き上げ
 現行のNISAの年間投資上限額は、「一般NISA」が年120万円、「つみたてNISA」が年40万円までです。一方、新NISAでは、「一般NISA」と同様の「成長投資枠」で年240万円、「つみたてNISA」と同様の「つみたて投資枠」で年120万円、両方合わせて合計で年間360万円まで投資できるようになります。今回の改正により現行の上限額と比べて、つみたて投資枠は3倍、成長投資枠は2倍と大幅に年間投資枠が引き上げられました。

より活用したい制度になる新NISA…

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