ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
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公開日:2023.11.09
年末になると、「ふるさと納税」の駆け込みが増えるといわれています。特に、会社経営者や個人事業主などは、節税対策の一環として利用している人も少なくないようです。近年、「ふるさと納税」を利用する人が増え、2022年度には約891万人が「ふるさと納税」による税額控除を受けています。寄付総額も、スタート以来の最高額である9654億円に達しました。
「ふるさと納税」制度の趣旨は「応援したい市町村などの自治体に寄付を行う」というもので、2008年にスタートしました。寄付をした自治体からは返礼品がもらえる上に、寄付額から2000円を差し引いた金額がその年の所得税と翌年に納税する住民税から控除されます。例えば、5万円を寄付すると4万8000円が税金から控除され、寄付をした自治体の特産品などの返礼品を受け取れます。結果として、2000円の負担でさまざまな返礼品がもらえることになります。
総務省は、「ふるさと納税」の制度本来の趣旨に従った運用がより適正に行われるよう、2023年10月から制度の一部を変更しました。ここでは改正された内容と寄付をする側の注意点などについて解説します。
改正内容は主に「募集適正基準」と「地場産品基準」の2点です。まず「募集適正基準」の改正ですが、「ふるさと納税」にかかる経費は寄付金額の「5割以下」にしなければならないという制限がより厳格化されました。
この5割制限は以前から存在していましたが、今回の改正により、募集に付随して生ずる手数料や事務経費も含めた金額を5割以下とすることを義務化しました。具体的には、ふるさと納税を宣伝するポータルサイト業者に支払う手数料や寄付金に関する受領証の発行費用、ワンストップ特例に関する申請書などの受付事務経費などです。
経費を含めた返礼品にかかる総費用がすでに寄付額の5割に近づいている自治体も多く、10月以降は寄付額に対する返礼品の質の見直しや内容量を減らすことなども考えられますし、場合によっては寄付額の値上げを検討する自治体も考えられます。
次に、「地場産品基準」の改正です。これにより、返礼品の地場産品の解釈が厳格化されます。以前は、海外や他の地域で生産された肉などを地元で一定期間熟成させ、地元産の熟成肉などとして返礼品に活用していた例がありました。しかし、10月からはルールが厳格化され、「熟成肉」と「精米」については、寄付をした自治体と同じ都道府県産を原料とする場合のみ返礼品として認めることとなりました。
この改正により地域の特産品や地元の産業の復興など、ふるさと納税にふさわしい制度の運用が期待できますが、一方で、一部の自治体においては該当する返礼品がなくなったり、選択肢が少なくなったりする場合も考えられます。
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