事例で考えるクラウドストレージ(第1回)法改正を契機に書類をデータで共有

クラウド・共有

公開日:2022.11.30

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 自動車部品を製造するA社。これまで取引先との受発注や生産管理などでIT化を進め、業務を効率化してきた。生産部門に加えて経理部門のIT化に着手し、帳簿書類の電子化を進めるため、紙文書から電子帳簿保存へと徐々に移行している。そして、決算業務を委託する会計事務所との帳簿書類のやり取りについても電子化を行った。安全・簡単に文書ファイルを共有できるクラウドストレージを採用し、会計業務の効率化にとどまらず、さまざまな効果が生まれている。

電子データで帳簿書類をやり取り

 A社は取引先の要求に応える高品質なモノづくりを目指し、部品を安定して製造・供給することで自動車部品メーカーのサプライチェーン・マネジメント(SCM)で欠かせない存在となっている。取引先のニーズに合わせた部品の製造・供給を可能にするのが受発注システムや生産管理システムなどのITだ。部材の調達から生産、在庫、出荷までのプロセスを的確にITで管理することで無駄をなくし、業務の効率化と生産性の向上を進めてきた。

 一方で経理や人事など管理部門のIT化が課題になっていた。経理部門では会計システムなどを導入していたものの、帳簿書類は紙で管理されている。紙の印刷や保管の手間もかかることから、帳簿書類のペーパーレス化といった新たな取り組みを検討していた。

 この動きを後押ししたのが2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法だ。経理部門が国税関係の帳簿書類の保存を電子化することにより、ペーパーレス化や業務の効率化が進められると判断。だが、ここで課題として浮き彫りになったのが、決算業務を依頼する会計事務所との帳簿書類のやり取りだ。改正電子帳簿保存法では、電子的に作成した帳簿書類はデータのまま保存することを規定している。会計事務所とは紙ではなく、電子データで帳簿書類をやり取りする仕組みが必要になったのだ。

クラウドストレージの導入を検討…

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執筆=山崎 俊明

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