ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2023.01.16
関西を中心に西日本で医療機器を販売するC社。同社では、営業担当者が担当する地域の医療機関から注文を受け付け、医療機器メーカーへの発注や納期などをそれぞれのパソコンなどで管理していた。この中で、営業担当者が外出中に事務所へ医療機関から納期確認などの問い合わせがあった場合、社内では即答できないなどの課題に加え、機器の故障や災害によるデータ消失のリスクもあった。そこで社内のデータ共有や災害時などのBCP(事業継続計画)対策としてクラウドストレージを導入。営業担当者が外出中でも顧客からの問い合わせに的確に対応できるようになり、社外でも営業担当者が安全にデータを参照して医療機関へのタイムリーな提案が可能になるなど、さまざまな効果を上げている。
C社は、主に検体を検査する体外診断用医療機器や検査用試薬・消耗品などを取り扱い、病院や診療所の検査ニーズに対応してきた。本社移転を契機に社内ネットワーク環境を見直し、インターネット接続などで利用されるルーターをはじめ、高速な社内LANに向けてスイッチやWi-Fiを入れ替えている。こうした中で、ネットワーク環境の刷新とともに医療機器の販売データなどの保管場所が課題だった。
従来、営業担当者が医療機関から注文を受けた商品在庫や納期情報は表計算ソフトで作成した台帳に記録し、自身のパソコンなどに保存していた。営業部には医療機器メーカーへの発注データなどを管理する社員共通端末はあったものの、医療機関への納期などのデータは各担当者が把握・管理していた。そのため、在庫や納期などについて医療機関から電話で問い合わせがあった場合、担当者が在席していなければ他の社員は即答できず、担当者に電話のメモを残したり、携帯電話に伝言したりするなど、顧客対応や業務効率化の上で課題だった。そこで、社内で発注や納期などのデータを共有できる仕組みが求められていた。
データの安全な保管も懸念材料だった。営業担当者が持ち歩くノートパソコンの記憶容量は制限があるため外付けのHDDを利用する人もいたが、落下などの衝撃で破損し、保存データを消失するリスクもあった。ノートパソコンについても、外出先での盗難・紛失や、災害などで物理的に壊れるリスクも考えられ、BCP対策の観点からも安全にデータを保管・管理できる仕組みが求められていた。
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執筆=山崎 俊明
【TP】
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