ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2023.03.17
関西で屋外看板レンタル業を営むE社。社員は10名あまりの企業だが、立地のいいビルの屋上や壁面などに設置した広告看板スペースのレンタルで成長を続けてきた。屋外看板はチラシ広告などと異なり、広告を出し続けている間は人目に付くことから、新製品の広告や飲食店案内などで根強い需要がある。同社では屋外看板の広告デザインなども手掛け、製作にCADを活用。CADデータは社内のNASに保管してきたが、テレワークに伴うデータ共有やデータバックアップなどのBCP(事業継続計画)対策が課題だった。これらを解消するためクラウドストレージサービスを導入。社内・社外とのスムーズなデータ共有が可能になった他、高信頼性のデータ保管を実現した。
E社の強みは屋外看板広告にかかわる広告デザインから設置・施工、定期的なメンテナンスなどをトータルに提供できることだ。かつて広告デザインは専門の事業者に外注していたが、事業拡大に伴いデザイナーを雇い入れて内製化している。営業担当者は顧客の広告デザインの要望を社内に持ち帰り、デザイナーがデザインソフトとCADを用いて屋外看板広告を製作する。そして、営業担当者はそのCADデータをパソコンに保存し、顧客先に出向いて内容を確認してもらった後、デザイナーが修正、完成させるといった具合だ。
CADデータは社内LAN上のNASに保管してきたが、いくつかの課題があった。NASは手軽に導入できるものの保存するデータ容量が増えてくればディスクの増設が必要になる。また、NASの故障によるデータ消失のリスクもあり、BCP対策の観点からも信頼性の高いデータ保管の仕組みが課題だった。そして、一番の課題はデータの共有だ。E社はコロナ禍の中でテレワークを導入し、デザイナーや営業担当者が必要に応じて自宅でも業務を行える環境を整えてきた。ここで課題となったのがデータのやり取りだ。デザイナーが自宅で作成した広告デザインのCADデータは大容量のため、メールの添付ファイルでやり取りすることができない。また、自宅と会社を閉域網で接続してNASにアクセスする方法もあるが、ネットワークの設定作業には専門的知識が必要となる。そこで、インターネットを介してどこからでも手軽に利用できるクラウドストレージサービスを検討することになった。
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執筆=山崎 俊明
【TP】
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