ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2024.05.09
前々回から解説している第3ステップ「作業の無駄をなくす」では、「アプローチ8 サービス・キネティクス原則」について、実例を交えて説明しました。今回は、「作業の無駄をなくす」2番目のアプローチとして、「ムラとムダを削る標準化」を紹介します。
製造業が生産する工業製品は店舗に陳列され、お客さまはそれを実際に触ったり、動かしたりして品質を確認し、その後に買うかどうかを決めます。しかし、サービスという製品は、サービスの品質に不満があっても、その時点でサービスの提供を受けており、お客さまは代金を支払わなければなりません。つまり、サービスは提供以前にその品質を確認できないという特徴を持っているのです。
もし、事前に期待していた品質に達していなければ、お客さまにできるのはクレームを言うか、二度と利用しないことくらいです。反対に、品質が期待に沿うものであれば再びサービスの提供を受け、店のリピート率も上がっていきます。しかし、その品質が変動するとお客さまは不満を感じ、リピートをやめてしまいます。さらに、その見解を周囲に伝えると、新規のお客さまも減少します。
サービス業の現場は、パートやアルバイトといった多くの短期雇用の従業員に支えられているため、人によってスキルにばらつきがあり、提供するサービスの品質にムラが出やすいのです。サービス品質のムラを抑えなければ、安定的な集客は実現できません。そこで必要になるのが、サービス提供における業務プロセスの標準化とマニュアル化、そしてそれに基づくスキル研修です。
サービス業の基本は、お客さまの要求に応えることです。その要求は多様なうえ、同じお客さまでも状況によって変化します。現場スタッフには臨機応変な対応が期待されるので、標準化やマニュアル化はなじまないと考えられがちです。しかし、標準化と画一化は別物です。
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執筆=内藤 耕
工学博士。一般社団法人サービス産業革新推進機構代表理事。世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。
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中小サービス業の“時短”科学的実現法