事例で学ぶセキュリティインシデント(第16回)端末の盗難・紛失リスクに備える

脅威・サイバー攻撃

公開日:2024.09.12

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 大阪で介護サービス事業を展開するP社の管理部門の電話が鳴った。事務所で残業をしていた担当者が受話器を取ると、慌てた口調で介護職員は「家に帰ってタブレット端末の充電をしようと思ったら、タブレット端末が見当たらないんです。どうすればいいでしょうか」との問い合わせ。管理部門の担当者は、その介護職員に落ち着くように伝えて電話を切った。そして、事務所に残っていたIT担当者に報告した。「訪問介護の職員が出先でタブレットを紛失したようです。情報漏えいが心配です」。

タブレット端末を活用し業務を効率化

 人材不足が深刻な介護サービス業界にあって、P社はいち早く働き方改革を推進。介護職員のワークライフバランスに取り組み、産休や育休、親の介護などでも安心して働ける職場づくりに取り組んできた。

 職員ひとり一人の事情に応じた柔軟な働き方を支えるのがITの活用だ。事務所のホワイトボードや掲示板で行っていた手書きの情報共有・交換を廃止し、全職員にタブレット端末を配布。訪問介護のスケジュールや食事、入浴といった身体介護、掃除や洗濯といった生活援助など利用者が求める介護サービスの連絡、業務終了後の報告などを出先のスキマ時間を使って行えるIT環境を整備している。

 例えば、1週間に複数回の訪問介護サービスを利用する人もいる。かつて事務所に戻って利用者の健康状態などを報告し、他の職員に引き継ぎを行っていた。そうした作業もタブレット端末で済ませられるようになり、介護職員の直行直帰を可能にするなど、効率的な業務を行っている。

個人情報が保存された端末を紛失…

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執筆=山崎 俊明

【TP】

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