弁護士が語る!経営者が知っておきたい法律の話(第124回)中小M&Aの動向と特徴・留意点

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公開日:2025.02.28

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 M&Aとは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称です。合併だけでなく、株式の大半を取得する株式譲渡や、会社の一部門を買収する事業譲渡を含む事業の引き継ぎ全般をさします。

 M&Aは大企業が行うものと思われがちですが、近年は中小企業でも注目され、増加傾向にあります。M&Aを通じて、中小企業(売り手)の事業を社外の第三者である後継者(買い手)が引き継げば、事業の継続性を確保できます。

 多くの中小企業にとってM&Aはなじみの薄い手段でした。背景には、売り手側の経営者はM&Aに対して「後ろめたい」「従業員に申し訳ない」といった感情を抱く場合がありました。一方で、買い手側には敵対的買収を行う「ハゲタカ」のようなイメージがあり、必ずしもビジネスライクには考えられませんでした。

 しかし、売り手側の経営者は、M&Aを通じて事業を社外の第三者に譲渡すれば、大切に経営してきた会社を存続できます。また、従業員の働く場が残り、雇用の受け皿を守れるというメリットもあります。

 買い手側にとっては、他社が時間をかけて築き上げた事業を譲り受けることで、リスクを減らしながら合理的に事業を拡大できるというメリットがあります。双方にメリットがありますから、検討しない理由はないでしょう。

 本稿では近年のこうした変化を踏まえ、最近の中小企業におけるM&A(以下、中小M&A)の動向と特徴、留意点について見ていきます。

中小M&Aの動向…

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執筆=上野 真裕

中野通り法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)・中小企業診断士。平成15年弁護士登録。小宮法律事務所(平成15年~平成19年)を経て、現在に至る。令和2年中小企業診断士登録。主な著作として、「退職金の減額・廃止をめぐって」「年金の減額・廃止をめぐって」(「判例にみる労務トラブル解決の方法と文例(第2版)」)(中央経済社)などがある。

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