ニューノーマル処方箋(第24回)“事務作業の負担軽減”が新たな付加価値を生む

業務課題 自動化・AI デジタル化

公開日:2023.09.20

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<目次>

・「人と時間の創出」という足元の課題

・「事務作業の負担軽減」から始めるリソース創出

・「フロントオフィス業務」と「バックオフィス業務」

・負担なく進める「事務作業の負担軽減」

・「小さく始めて大きく広げる」

・「事務作業の負担軽減」がもたらす「コスト削減以上の効果」

・<結論>

「人と時間の創出」という足元の課題

 新型コロナウイルス感染症の5類移行による「withコロナ」の流れや、外国人訪日客の回復傾向などにより、ようやく社会経済活動に明るい兆しが見え始めた一方、原材料や資源価格の高騰および物価高により、日本企業を取り巻く経営環境は、これまでの経験や取り組みだけでは乗り越えられないほど厳しい状況に直面しています。

 特に人的資金的リソースが不安な中小企業・小規模事業者(以下、中小企業)ほど、取り巻く環境はより一層厳しく、経営者には新たな販路の開拓や新分野への進出、事業の再構築、生産性の向上など、前例にとらわれないより大胆な取り組みが求められています。とはいえ、それらに取り組もうにもどのようにその「人や時間を創出」するのかという極めて現実的な問題に、経営者は真っ先に直面します。

「事務作業の負担軽減」から始めるリソース創出

 新たなことに取り組む「人や時間の創出」をどうやって実現するのか。

 慢性的な人手不足や、労働時間に対する規制強化、厳しい資金繰り、増大する一方の事務作業負担などが、これをさらに困難なものにしており、「それができれば苦労しない」と多くの経営者が考えるのではないかと思います。そういった中、中小企業においても比較的手が付けやすく、また過度な労力を要しない取り組みをお勧めしたいと思います。それは、「事務作業の負担軽減」に着手するというものです。

 企業における事務作業の負担は目に見えにくいコストですが、その影響や効果を定量的に捉えるのが面倒なこと、長年なじんだやり方を変えることへの抵抗や、仕事が無くなる懸念からの反発、さまざまな要因が絡みなかなか取り組みに着手できていないのが実情です。

 しかしながら、ここに従来とは異なる視点でメスを入れ、付加価値を生む新たな取り組みに向けて必要なリソースを確保することは、継続的な事業運営、中長期的な競争力確保の観点などから、避けては通れない重要なテーマといえます。

 「新たな業務システムの導入に投資する余裕はない」と思われるかもしれませんが、大掛かりな投資をしなくても、比較的リーズナブルに「事務作業の負担軽減」を実現することは、実はそれほど難しくありません。

「フロントオフィス業務」と「バックオフィス業務」

 具体的な検討を進める前に一つ念頭に置いておくべきポイントがあります。それは、業務分野に応じて異なる手法をうまく使い分けるということです。

 企業における業務分野は大きく2つに大別することができます。一つはその企業が収益を上げるコアとなる業務、例えば製造業であればクライアントから注文を獲得し、それに応じた製品を製造し納入する一連の業務、介護業であればケアを求める人に対して必要なサービスを提供し対価を得る一連の業務、業界ごとに内容は異なってもその企業が収益を上げるために直接的に関与する業務を、一般的に「フロントオフィス業務」と呼びます。

 もう一つは収益を上げるための業務を間接的に支援する「バックオフィス業務」です。具体的には経理や財務、人事・労務、法務など、直接利益を生む業務ではないものの、業種業界問わず企業活動の根幹である「人・モノ・カネ・情報」を管理する重要な業務です。また、多くが法令などによりその内容を規定され、適切な運用が求められるという特徴があります。さらに電子帳簿保存法やインボイスといった新たな法令や制度への対応が、より複雑化していく運用を求められる企業に対し大きな負担になっています。

負担なく進める「事務作業の負担軽減」…

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