ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2024.11.07
複数のフロアにまたがるオフィス全体にビジネスWi-Fiを導入するのは、ハードルが高いかもしれない。だが、オフィス全体の通信環境を無線化すれば、さまざまなメリットが生まれる。例えば、オフィスのどこにいても無線デバイスを活用できるだけではなく、サステナビリティーにもつながる。オフィス全体にビジネスWi-Fiを導入するアプローチと、そのメリットを考えてみたい。
ある大手通信事業者では、自社ビルで数十フロアにまたがるオフィス全体の通信環境をビジネスWi-Fi化した。最初の数カ月で電波状況を調査し、アクセスポイントの設置計画をまとめた。その後、数カ月かけて工事を完了した。利用開始後も電波状況やデータ量を確認し調整を行うなど従業員の使い勝手の向上に取り組み、快適な通信環境を実現した。
こうした複数フロアを使用するオフィスで快適な通信環境を整備するには、設計の工夫が必要だ。フロア間の通信はもちろん、フロア全体に電波を行き届かせるには、アクセスポイントを等間隔に設置しても最適化できない場合がある。オフィスレイアウトを把握して各エリアで働く人の人数を考慮し、コンクリート製の壁といった障害物も含めた調整が求められる。そのため、ビジネスWi-Fiに詳しいプロの協力が不可欠だ。
大規模オフィスの通信環境を快適にするには時間、手間、費用がかかるが、もたらされるメリットは多い。最大のメリットはユーザビリティーの向上だ。同社はテレワークを積極的に取り入れてきたが、従業員はWi-Fiを利用している自宅と同じように、オフィスでも快適に仕事ができるようになった。
ネットワークには、全てのアクセスを疑いセキュリティを確保する「ゼロトラスト」の考えを適用し、コスト面、管理面の負担が軽減した。パソコンは有線ポートのないモデルの導入が可能になり、持ち運びやすい軽量型を選べるようになった。
持ち運びしやすい端末の採用は、テレワークの活用をより一層促せるだろう。また、オフィスのどこでもWi-Fiを利用できれば、フリーアドレスのレイアウトも可能になり、出社率に合わせた座席数を用意するだけで済む。従業員数が増えても柔軟に対応でき、無駄なオフィススペースも不要になる。
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執筆=高橋 秀典
【TP】
ビジネスWi-Fiで会社改造