ビジネスを加速させるワークスタイル(第15回)
似ているようで違う、法人向け光回線の選び方
公開日:2024.10.31
ビジネスを円滑に進めるためには、社内外でさまざまな情報連携が求められる。例えば、製造業なら、生産から在庫、販売までのプロセスで必要不可欠な情報があり、管理のための仕組みが設けられている。その方法は、Excelによる帳票管理だったり、専用のシステムを開発、導入していたりと、企業規模や管理方針によって異なる。昔ながらの中小企業ならば、社長や熟練の管理担当者が情報を読み解いて適切な対処をしてきたことだろう。しかし、現代はビジネスの不確実性が格段に高まっている。近年だけでも、コロナ禍や半導体不足、国際情勢の変化などにより、ビジネス環境が急速に変化することを経験してきた。情報の連携(一元管理)と可視化を進めておかないと、“いざ”という変化に対応できなくなるだろう。
製造業で求められる生産から在庫、販売管理を適切に進めることを、生産(Production)、販売(Sales)、在庫(Inventory)の頭文字を取って「PSI」と呼ぶ。変化が激しい現代では、勘と経験だけでは最適化したPSI管理を実現することは難しい。
仮に、今の代の社長や管理担当者が高い能力を持って適切に対処できていたとしても、代替わりや退職などによってその知見が引き継がれなくなることもある。この事態に対応するには、データを基にしながら適切な生産計画を立てたり、在庫を最適化したりすることが求められ、ITの役割が高まる。
PSI管理をまとめて実施する生産管理システムなどを導入すれば、こうした課題が解決できる可能性は高い。一方で、そうした変化は現場にストレスをもたらすリスクもある。現場の仕事の仕方を、新規導入するシステムに合わせる必要が出てくるためだ。こうした大きな変化を一気に追い求めないのなら、現状の業務やシステムを生かしながら情報の連携と可視化のインフラを整えることが業務のDX(デジタル変革)の第一歩になる。各種の業務やシステムの情報をクラウドストレージなどで一括管理し、管理担当者が状況をリアルタイムで把握できるようになるだけでも、デジタル化した基盤でPSI管理が実施しやすくなる。社外取引先などとも情報を連携する必要が出てきたときにも、ストレージやシステムにクラウドサービスを利用していれば、セキュリティを保ちながらデータを共通利用するためのハードルを下げられるだろう。
そうして多様なデータが集まってきたならば、連携したデータを活用する手法にもデジタル技術を採用しやすくなる。生産や販売などの計画立案のため、複数のファイルやシステムの間で情報をまとめたリポートが必要になれば、RPAなどを活用して集計などの業務を自動化することが容易になる。将来的にAIを活用して情報分析などを推進するときにも、データが集まっていることが必要になる。情報やデータがバラバラに存在している状況から、クラウドなどで一元管理をしておくことで、さまざまな活用の可能性が広がるのだ。
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執筆=岩元 直久
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